演題 忘己利他 もうこりた 密蔵院住職 田村圓心
救いを求めている相手に、自分の物差しや色メガネは必要ない
相手の心の声を聴くことである。聞くではない。聴くである。
私の心の師である宮澤賢治の「じぶんを勘定にいれず」である。
つまり、己れを忘れるの忘己である。すなわち、即利他となる。
「じぶんを勘定に入れず」に成った時、人は、頼って来る。救ってほしいと。
そこには、損得を感じさせない、あなたが居る。
今、存在している一個の生命(いのち)は、全部の生命(いのち)
一個の悲しみは、全ての悲しみ。共に生きて、共に功徳を得たい。
そう言う私も、一隅の心のともし火でありたい。