2014年10月30日木曜日

日進市生活安全課 人権擁護委員会 研修


法話 密蔵院住職 田村圓心 

「 電話での悩み相談 」  相談に答える者として、どうあるべきか?

相談にのるとは、自分の全人生をかけて相談者の役に立ちたい。
皆さんは、そう思って相手の悩みの相談にのっておられると思います。

              しかし、そうは思ってもなかなか自分の答えの正解が出ません。
              また、相談者も本気もあれば、遊びのような電話もあると思います。

初めて会う人間が、相談される方も相談を受けられる方も短い時間での相互理解は難しい。
なぜか?。お互いの世界観が、違うからです。

               では、どの様な方法でのぞむのか?。

私自身( 住職 )としては、キュア( 治療 ) ではなく、ケア( care )するつもりで臨んでいます。

                ケアとは、気づかい、心配、不安、気がかり、注意、配慮、世話、保護、など。
                 ケアすることで、相手の苦しみを小さくしてあげれればと思います。

しかし、ケアをするにしても相手のことは、全く知らないのですから!。
聞くしかないでしょう。  徹底して聴くです。  傾聴です。

                 ただし、自分の固定概念があっては、無理。

自分を信じて、自分を空っぽにして聴くです。自己の自覚( 精神 ) を成長させて聴くです。
でないと、相手の悩みの原因は見つけられない。

           仏教的には、自分を捨てると言います。 ただし、思いやりを持ってです。
           または、自分をコントロールして、自分の物差しで相手をはからない。



      では、苦しみ( 悩み )はどうして生まれるのですか?。

その人の現実的状況と主観的な願い、想い、価値観とのズレが苦しみ( 悩み )を生む。
その根本を仏教的には、貪り・怒り・愚痴を原因としています。三毒と言います

        日常生活の中で、三毒の物差しは、人それぞれ。ズレもそれぞれ。

傾聴は、それぞれのズレを それぞれのズレを持つ者が傾聴者となるのですから
大切なのことは、相手の人生の中から、相手のズレを、相手の世界観で見つけること。
その為の傾聴です。

一番は、援助者自身が自分自覚の成長の学びとし、共に同じ世界に生きている自覚を持ち
縁ある者どうしとして傾聴し、見放さないことである。

        仏教的には、慈悲と言い、苦しみを抜き( 小さくして )  
                                                   楽 ( 変化した自分の喜び ) を与えると言います。

ケア( care )は、慈悲を精神とします。

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