2014年11月17日月曜日

お母さんと一緒に語る 神領小学校PTA


法話 密蔵院住職 田村圓心 

本日の集計用紙から、お母さんの悩みを要約するると

子供の自己管理能力をアップしたい。 自発性、計画性、兄弟姉妹同士の問題。
母親との意思の疎通が思うようにならない。友人関係の問題。父親の問題。
忙しい自分が、命令口調や否定口調になる。自分の都合で叱ってしまう。などなど!

子供とのコミニケーションの悩み。接し方の偏り感の問題。

各家庭でのこれらの問題をどの様に解決するのか?。
「 相手のことを思って! 」との思いが口に出さないけれども、いつも心のどこかにある。

                先ず、基本的な考え方として、
                            「   一人一人の世界観が違うことを認識することです。」

生まれた環境、育つた環境、学んだ環境、家の考え方、自分の受け取り方、
相手への伝え偏り、経験の違い、まだまだ数えきれません。

                でも、何故だか!!。お互いが分かり合えていると、錯覚する。

例えば、「 うどん食べたヨッ!。美味しかった 」

Aさんは、素うどん。 Bさんは、天ぷらうどん。

                 「   うどんを食べた・・・美味しかった。」
                  言葉としての うどん  と 美味しかった は同じに聞こえても?
                  中身が違う。味が違う。店が違う。一人なのか?。大人数なのか?

                   例えば、同じ店で、同じうどんを食べても。受け取り方は違う。

この違うと言うことが、一人一人の世界観が違うと言うことです。
この世界観を個性と呼んでも、固定概念と呼んでも良いかもしれません。

この世界観の違う二人が、縁あって結ばれて家庭を持ち、子供を授かり生きていきます。

そうすると、一つ屋根の下に、その家族の数だけの違った世界観が生まれます。
それらの違った世界観が共に生きていきます。
しかし、自分達家族だけが生きているのではありません。

                    周りには、人間をはじめ多くの命が生きています。
                   それらの命もそれぞれの世界観を持って生きています。

大切なのは、違った世界観の命が、お互いに助け合って共生していると言うことです。

そうして、最も大切な基本は、全ての存在は常に変化をしていることです。
親も子供も、先生も、友達も、仲間も、草木も、宇宙も、身体の中に生きる菌も
存在する全ての命は毎日変化していると言うことです。

                      変化とは、成長していると言うことです。
                       生まれては、消えていくことも変化です。

成長するために、他の命をいただき、
学び、悩み、苦しみ、笑い、悲しみ、生活しているのです。

そこに、今を生きている自分達がいて、共に同じ場所に縁があるのですから、
好き嫌いがあっても、意見が違っても、ともに生きていこうと言う工夫が大切です。

                   相手の命を生かすと言うことは、自分が生きていると言うことです。

自分に相対する全てを、認めることからはじまります。自分に出来る工夫です。

                      次の大切な基本を認識し身につけてください。
                                   ①  命の世界観は、個々に違う。
                                   ②  存在する全ては、常に変化をしている。
                                   ③  全ての存在は、循環して助けあっている。

この基本を自分で己の心に種として植え、いろいろな方法で水や肥料をやって
その種の芽を育てて、大きく成長させることが大切です。

             そのことを実行するのか、しないのかはその人自身の自覚です。

実行しないで、悩むのか?  失敗を繰り返しながら共に成長するのか?。

           だから私は、相手のことを知らないことが沢山あると言っているのです。
            又反対に、相手も私のことを知らないのです。

知らない同士なのだから、知る工夫や努力が必要なのです。
付き合いです。仲間です。縁ある人です。

             自分の世界観を押し付けては、お互いに成長しません。

何故か?。押し付けと言う行為は、相手の考え方を無視しているからです。
無視とは、相手を認めていない行為です。これを、自分勝手、自己都合と言います。

              親の人生観を押し付けては、いませんか?。
              子供の自律を否定しては、いませんか?。
               知らない間に・・・・・!
              そこに、 認識できないお互いが・・・居て。
               自覚できないで、生きているのです。



子供が、自分の思うようにならない時期が来ます。突然に!。

反抗期といいますが、言葉を変えて申しますと自律期と言います。

           自律をしようとしている本人が、
           自分の主観的な願い・想い・価値判断が
           現実状況の自分とのくい違いにビックリして悩む。

自分で考え、現実とのズレを解決しようとして初めての経験にもがき苦しむ。
まだまだ、先が見えない。あせり・・・感。

          悩んでいる時こそ、待つという・・・思いやりは、成長させる。
          又、待つていることは、自分( 親 ) をも成長させる。

その時に、キャン、キャンと ・・・ズカズカと・・・無視して入り込んでくる。

この自律への苦闘・苦悶・求聞など、そして失敗ともどかしさ。身体の変化。
これが、青春と言い、思春期と言えるのでは?

             親は、自分の人生観に自信をもって見守ってほしいと思う。
             オロオロとしている姿は、ますますムカツク。
              毅然としているのも、なぜか?。ムカツく。

なぜって、甘えている訳ではないのだが、自信の無さの親に腹がたつ。その反対も?。
そして、腹が立っている自分を観て、ますます情けなく思う。

              親に申し訳ないと思いながら。

自律とは、自分で考えて判断し、実行できる独立 と 自分を取り巻く
ルールを守れる責任の取れる自分の成長を、自覚と自律と言う。

             だからこそ、自覚・自律していく子供を見守りながら
             ケアをするように接してあげて下さい。

キュア ( cure  治療) ではなく。

ケア ( care 心配・気づかい・注意・見守り・世話・保護・配慮・認める ) です。
ケアすることは、相手を認めて苦しみを小さくすることです。

お互いが、傾聴することです。

お互いが共有して、見放さないと言うことです。

父親と母親と子供と兄弟姉妹と、取り巻く友人・知人・先生・PTA・教育など縁ある人々が
渾然一体となって今を生きて行くことです。昔から、苦楽を共にしてと申します。

存在する全ての命は、めぐりめぐって、他の命の為に役にたっているのですから、
繋がっていると言い、循環しているとも言い、助けてくれていると言い。

だからこそ、全ての存在する命に、自己都合の迷惑をかけないと言うことです。

              感謝することでしか、命の存在理由が見つからないのです。

              いただいています。・・・です。

               ありがとうございます。・・・です。

この実践が道徳観です。
             つまり、日本人が持つ古来からの精神である、存在する全てに感謝すると言う
             徳と、全ての命と共に生きていくと言う道が、自然に養われることと思います。

別の角度からの取り組みの良い例があります。 工夫ができる別の意味での例。

             横浜市立 飯田北いちよう小学校 。 半数が多国籍の生徒。
                      多国籍小学校 として、なにを悩むのか?。いかに工夫するのか?。
              日本語・中国語・韓国語・ベトナム語・ラオス語・カンボジア語
               ベンガル語・ポルトガル語・タイ語・タガログ語・英語           

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